はじめに
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ここをご覧になられた方は、多少なりともコンゴウを飼ってみようと考えておられる事と思います
しかしながら、コンゴウインコは大きいですし、鳴き声も強烈で、お世辞にも日本の住宅環境の中では飼いやすい鳥ではないと思います
しかしながら、それでも何とかしてコンゴウを飼ってみたいと考えてる方のお手伝いができないかと思いこのページを作らせて頂きました
なお、コミドリコンゴウに付いてはお友達が大コンゴウとの違いを書いて下さってありますコチラをご参照ください
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鳴き声 |
コンゴウインコを飼おうとして真っ先に考えるのが鳴き声です
鳴き声だけは飼い主がいくらがんばっても、外部に漏れてしまいます
本にも書かれている通り、鳴き声は非常に強烈です
一発本気で鳴くとスズメ一瞬で飛んでしまうし、野良猫すら飛んで逃げて行きま肩の上で鳴かれたときは暫く耳が”チーン”と言ってました
具体的な数字をあげる事はできませんが、音量はかなりのもので、成人男性が大声で叫ぶよりまだうるさいと思います
私は静かな住宅地の中に住んでいますが、その鳴き声は100メートル離れてても十分に聞こえ、木の上に登って鳴くと1キロは十分に聞こえるのではないかと思います
しかし、こんな鳥でもマンションで飼ってる方もいらっしゃいますし、都会の密集した住宅地の中で飼っている方もいらっしゃいます
そんな方たちにお話を聞いてみたら多くの方が”苦情が来ないかとビクビクしながら飼ってる”との事でした
うちも同じような状況で、特別な防音装置はありません
飼ってる場所もボロい小屋に入れて飼っていますので防音効果はありません
しかし、幸いにも未だに苦情は来ておりません
私なりに考えたのですが…
1、鳴く回数が限られてる
2、鳴く時間帯が限られてる
こんな理由があるのではないでしょうか
コンゴウが鳴く時間帯は人間の生活している時間帯です
犬やネコと違って、鳥は暗くなると寝てしまいます
意外と私たちが起きている時間帯はテレビとか周囲の騒音とかで外の音が聞こえないようです
まして、鳥はこちらの家の中…
あなたは隣の家の夫婦ゲンカ(じゃなくてもいいですが)の声を聞いた事がありますか?
以前住んでいた所の向かいの家にグレた子供が居て、良く家の中で暴れてました
でも、そちらのお宅は古い木造のお宅でしたが、その声はこちらがテレビを消して、窓を開けないと何を言ってるか分からないほどです
まして、最近の鉄筋コンクリート製のマンションで、2重窓になってるような建物なら防音効果はさらに高いと思われます
もし、あなたが賃貸にお住まいで、引越しできるなら騒音の激しい幹線道路沿い等に引っ越すのも一つの方法かも知れません
また、コンゴウには思ったほど鳴きません
また、ほとんど鳴かない個体もいます
うちにいる紅コンゴウたちは鳴かない性格のようでおしゃべりはしますが雄叫びはほとんど聞いた事がありません
このような性格の子を捜すのも一考かも知れません
ただし、ヒナの時は鳴かない子であっても、ある程度成長してくると鳴き出す事もあるようなのでその辺は十分注意が必要です
また、鳥の事や防音効果と共に重要なのが人間関係だと思います
コンゴウを飼おうと思うなら隣近所との人間関係を良好に保ち、多少の騒音ならガマンしてもらえるような環境でないと無理だと思います
数百万円かかる本格的な防音工事を施工するなら別ですが…
同じような事ですが、近所に神経質な方や小さな赤ちゃんの居るお宅があれば要注意かと思います
鳴き声ばかりは実際に聞いてみないと何とも言えないと思います
人により感じ方は違いますし、毎日聞いてると慣れてきてしまいます
一番良いのは実際に飼っておられる方や動物園などで声を聞いてみる事です(ペットショップでは周囲がうるさすぎて分かりません)
鳴き声を侮ってはなりませんが、そんなに恐れるほどでもないかも知れません
鳴き声の問題を解決できたなら他の問題はさほど大きな問題ではないと思います
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場所 |
手乗りのコンゴウインコで、毎日放鳥する事として書かせて頂きます
大きなコンゴウインコを飼うのに広い部屋が必要だと思っておられる方が多いと思いますが実際にはそれほどでもありません
私が使っているカゴは60×60×110程度のサイズでこれが最低の大きさです
もっと大きなケージもありますが、最低この寸法があれば飼育できます(できるだけ大きなカゴに入れてあげてほしいですが)
あと、鳥を出した時に乗せておくスタンドが必要です
1m四方くらいのスペースがあれば良く、意外と場所は取りません
しかし、ごみが結構出ますので注意が必要です
我が家の場合、放鳥時もほとんどスタンドの上に居る事が多く、あまり歩き回ったりはしません
最低限、カゴとスタンドがあれば良いですが、もし、できる事なら木登りのできる環境を作ってあげてほしいと思います
鳥は高い所が好きです
特にコンゴウに限らずインコたちは木登りが大好きです
放鳥時、人間がかまってやる事ができない時に自分で遊べるような場所を作ってあげて下さい
プレイジムのような物を作ろうとすればそれなりのスペースが必要になって来ると思います
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匂い・ホコリ・掃除 |
コンゴウインコは犬やネコのように匂いはあまりしません
体臭もそんなにきつくなく、糞もほとんど匂いません
ただ、多少の匂いはありますがそんなに気にならないと思います
脂粉はそんなにきつくありませんが、フケのような白い粉が結構出ます
また、食べこぼしもかなり多く、ペレットであってもけっこうこぼします
シード食であればかなりの量を食べますので殻もかなりの量が出ます
オモチャなどを入れるとすぐに破壊してしまいますので木屑も結構でます
糞も体が大きいのでそれなりの量が出ます
糞掃除は冬場だと2・3日に1度でも大丈夫ですが、夏場は腐ってしまうので毎日掃除しなければなりません
以上の事から他の小型の鳥と比べると確実に手間は増えます
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エサ代等 |
ペレット食とシード食により、またオヤツやおもちゃの与え方で毎月かかる費用は様々だと思います
私の場合、1羽につき、ペレット代が月1500円くらいです
あと、オヤツとしてドライフルーツや鳥用のオヤツなど買っていますが大量に与えてないため5000円も買えば3ヶ月くらいは十分にあります
オモチャに関しては固体の性格や飼い主さんの与え方により様々です
新品のおもちゃを与えても、早い時には1日でバラバラにしてしまうような事もあります
コンゴウのおもちゃは大きいので2000〜5000円くらいします
コンゴウは色とか形とかより齧り心地の良いおもちゃを好みます
私はほとんど木切れをもらってきて自作していますのでおもちゃに関してはあまり費用をかけていません
また、ヒーターやクーラー等で光熱費もかかってきます
冬季、100Wのヒーターを2つ24時間付けっぱなしで電気代が3000円くらいです
夏季のクーラー代も考えておかなければなりません
我が家の場合、省エネタイプのクーラーで24時間30℃設定で運転して月5000円くらいでした
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必要な道具 |
鳥カゴ・スタンド・止まり木(鳥かごに付属の物はすぐにボロボロにされます)
ヒーター・サーモスタット・エサ・オヤツ・オモチャ
ハカリ(電子式で2キロまでの物が良い)・クッションフロア(ビニール製のシート)・スクレーパー(皮すき)・小さなほうき・ちりとり
あと、非常用としてフォーミュラと注射器を用意しておきましょう
フォーミュラとは粉状のヒナに与える食事の事です
成鳥であっても、病気で体調を壊したりした時に緊急で差し餌をする必要があるかも知れません
また、投薬の時にフォーミュラに混ぜて投薬する方法もあります
もし、弱った野鳥などを拾った時にもとりあえずはフォーミュラを与え急場をしのぐ事ができます
500円くらいの物ですので餌を買うついでに購入しておいて下さい
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性格 |
他の種類の鳥の飼い主さんや、多種飼いのコンゴウ飼いさんに聞いてみますとコンゴウは比較的おとなしい性格のようです
気の強い種類の鳥だと同じ種類の鳥を見るとすごい勢いでケンカをするようですが、我が家の場合はそれはありませんでした(多少の小競り合いはありますが)
飼い主に対しても攻撃する事はなく、噛む事もほとんどありません
飼い主以外の人に対してはあまりなつかなく、オンリーワンの傾向が強いです
また、自分が一番好む人が居なかったら他の適当な人に寄って行ったり、食べ物をもらうのは誰でも良かったりと変な所で要領よくふるまいます
性格は図太く、例えばヨウムだと地震でパニックになるとか、オモチャを変えたらカゴに入らないと言った話を聞く事がありますが、コンゴウに至ってはそのような話は聞いた事ありません
新しい環境への適応性も高く、ショップから連れ帰ったその時から餌をバクバク食べ、喜んでケージから出てきて新しい飼い主に甘えまくっておりました
白色系と違い単独での留守番も可能なようです
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費用 |
いつもお世話になっていますこんぱまるさんのお値段を参考にしますと
ルリコンゴウ 28万円
ベニコンゴウ 38万円
ハルクインコンゴウ 38万円
ヒメコンゴウ 18万円
コミドリコンゴウ 14.8万円
となっております(この値段は変動しており、最近は下がりつつあるように感じます。セールもやっておりますので詳細はお店のHPで確認してみて下さい)
この他にケージ代、餌代等がかかります
おおまかな金額ですが
ゲージ 2〜3万円
スタンド 1〜2万円
止まり木 2千円
エサ 5千円
オヤツ3千円
サーモスタット 1万円
程度でしょうか(お店によっても多少の差はありますのでその点ご了承下さい)
他、鳥を迎えられたらぜひ健康診断を受けて頂く事をお勧めします
健康診断の費用は病院によって差はありますが、私がお願いしている病院は5千円くらいで行って下さいます
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お店 |
コンゴウインコを扱っているお店はそんなに多くはありません
ネットで検索すれば何件かのお店がヒットすると思います
大阪だけかも知れませんが、最近ホームセンターのペットショップでもコンゴウや白色オウムを置いているお店を時々見かけます
最近は通販で生体を送ったりするお店も増えてきました
しかし、良い鳥を探すコツはたくさんの鳥を見て歩く事です
同じ種類の鳥を見て歩いてるとその個体の性格、特徴などが分かってくるようになってきます
”この鳥はこの場所を触られるのが好きな鳥だ”とか”この鳥は触られるのはキライだが、指を吸うのが好きな鳥だ”とか…
そうしてるうちに運命の出会いがあるものです
しかし、距離や色んな事情でお店に行けない方もたくさんいらっしゃると思います
通販も過去に実績のある信用できる販売店さんからだと問題ないと思います
また、そのような販売店さんでしたら、飼育相談にもきっちりと乗って下さると思いますし、ネットで相談する事も可能だと思います
また、生体の事だけじゃなく、今後のエサやオモチャなどの購入をどうするか等も考えておいた方が良いと思います(こちらは通販で問題ないですね)
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病院 |
ネットで鳥を診てくれる病院を捜している方はたくさんいらっしゃいます
まして、超大型のコンゴウを診る事のできる病院だと本当に限られてくると思います
実際に鳥を診れると看板等に書かれていても小型・中型の鳥だけで、コンゴウや白色などの大型の鳥は保定もできないと言う獣医さんもいます
その近辺に病院が無い場合は仕方がありませんが、やはり予め探しておくことをお勧めします
その場合、電話をかけて獣医さんとお話し、コンゴウインコを診てもらいたい旨伝え、ちょっとイジワルな質問をしてみたら良いようです
鳥を新たに迎えられたら、ぜひ健康診断に連れって下さい
病院の場所を確かめるのと、先生との顔つなぎの意味もあります
万が一の時、場所が分かっていれば安心ですし、電話ででも問い合わせる事はできるでしょう
もしかしたら時間外でお願いする事があるかも知れません…
また、前出のお店の事ともかかわるのですが、近くにしっかりと頼れるお医者さんがあるなら通販であっても、ホームセンターのペット屋であっても問題はないと思います
何かあればその先生が助けてくれるでしょう
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飼い方 |
コンゴウインコは体は非常に強靭だと言われています
確かに、熱帯の鳥でありながら、関西や関東地方の平野部であれば屋外で保温無しで越冬させている方もいらっしゃいます
しかしながら、それは”寒くても死なない”事であって”快適に過ごしている”のとは違います
やはり、冬の寒い所で越冬させるのはかわいそうです
特に1才未満のヒナのうちは保温には注意が必要と言われています
私は1年目は25度で保温、その後は15度で保温しております
また、日本では冬と同様に、夏は冬以上に注意してあげて下さい
寒くて死ぬ例は少ないですが、暑くて死ぬ事があるようですから
真夏であっても、日陰の風通しの良い場所に置いてあげればそれで良いのですが、日中留守にされるおうちでは防犯のために窓を開けたまま出かける事ができませんね
そうなると、留守中の室内の温度はかなり上がってしまいます
そうなれば体力の消耗は激しくなってしまいます
鳥にはクーラーは良くないと言われていますがゆるくクーラーを入れる必要があると思います
ただし、クーラーの風を直接当てるのは避けてあげて下さい
また、夏場は飲み水が腐りやすくなり、梅雨時はカビが繁殖する季節です
飲み水の管理やエサの管理にはご注意下さい
また、コンゴウインコは水浴びを好みます
夏場は出来る限り、水浴びをさせてあげて下さい
霧吹きを使われる方も多いようですが、私は水道に園芸用の目の細かいシャワーを付けてそのままかけます
最初は戸惑っていますが、慣れてしまえば豪快にベトベトになるまで水浴びを楽しむようになります
また、水浴び後は日光浴を十分にさせてあげて下さいね
日光浴をさせると羽色が良くなります
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爪きり・クリッピング |
手乗りにするなら爪切りは必須です
その鳥の個体にもよりますが、爪が丸いと足が滑るのがイヤなのか、自分で爪を研いで尖らせてしまいます
また、自分で尖らせない鳥も、人口の飼育下ではあまり磨耗しないためどんどん長くなって行きます
爪切りは犬用の爪切りを使ったりしますが鳥の固体によれば非常に危険です
すなおに切らせてくれる鳥は鳥をスタンドに乗せ、一人で鳥に声をかけながら簡単に切る事ができるのですが、切らせてくれない鳥は爪切りを見ただけで必死に逃げ出します
それでも無理に切ろうとすると本気で噛んで攻撃してきます
その時に手を噛まれたりするのですが、かなり痛いです
下手をすると骨折する可能性もありますので、あまり暴れる固体の場合はショップや獣医さんにお願いするのが良いと思われます
地方にお住まいで、それがどうしても無理な場合は2人で保定して切る方法、コンクリート製の止まり木で爪を磨耗させる方法等があります
クリッピングに付いては賛否両論があります
私も以前はクリップせずに家の中を飛ばしておりました
が、ある日逃亡させてしまい、それに懲りてクリップしてしまいました
コンゴウインコほど大きな鳥でも6畳ほどの部屋でも旋回します
また、飛ばせる事により体力も付いてきます
コンゴウインコは非常に知能が高く、めったな事で飛んで逃げたりはしません
しかし、何かに驚いて飛んでしまったり、不注意で飛ばせてしまったりと言うような事故も聞く事があります
一番良いのは、”飛べるんだが長距離は飛べない”程度までクリップする事なんでしょうがなかなか難しいでしょう
本題に戻り、クリップは爪切りより大変です
鳥は足の力より羽の力の方が数倍強いです
おとなしく切らせてくれる鳥だと良いですが、暴れる鳥の場合は大変だと思います
爪切りと同じように噛まれる危険も、鳥にケガをさせる危険性もあります
あまり無理はせず、無理だと思えば別の次の方法を検討して下さい
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最後に |
どうでしょう?
あなたにもコンゴウが飼えそうですか?
こうやって書いてみるとすごく大変そうに思えますね
でも、室内で大型犬を飼うのと考えると手間は似たようなものじゃないかと思います
ただ、やはり一番違うのは鳴き声だと思います
大型の鳥も、あの強烈な鳴き声さえなければもっともっと愛好家が増えるのではないかと考えております
私は縁があってコンゴウインコを飼う事になりましたが、コンゴウが至上の鳥だと思っている訳ではありません
他の種類の鳥もたくさんの魅力を持っております
もし、このような記事を通して大型の鳥の愛好家が増えてくれたら非常にうれしく思います
また、大型のインコは非常に寿命が長いです。
ややもすれば、一生付き合う相手になるかも知れません。
大げさな表現でしょうが、自分の人生設計と共に飼育可能かどうか検討する必要があると思います。
不幸な鳥さんが増えないように、簡単に決めないで良く考えて頂きたいと思います。
長文でしたが最後までお付き合いいただきありがとうございました
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